簡単材飼育

今はやる人はほとんどいないでしょう「材飼育」。釣人流簡単材飼育をご披露します。菌糸・マットと違い、時間はかかるし場所取るし大きく育たないしでメリットが無いように思われがちですが、サイズの割りにはがっちりした印象で、アゴが鋭くピカピカした成虫になります(主観)。何より材中の食痕・蛹室の様子や脱出口の観察が出来て、クワの生態に近づける感じがして私は好きです。今回はオオクワ・コクワ系の材飼育です。

Zaisiiku_001まず「材」ですが、簡単材飼育ということで市販の産卵木として売られているものを使用します。芯はあっても構いません、というか出来るだけ硬めのものをチョイスします。「爪を立てて云々」とマニュアルにある言葉では解りにくいので「手に持ってみて出来るだけ重いもの」を選ぶといいでしょう。太いのにこしたことはありませんが、直径10センチもあればいいでしょう。加水は「立てて吸い上げ方式」です。写真のように色が変わってれば十分上まで加水されてます(写真左の真ん中は芯のため加水されてません)。

Zaisiiku_002加水が終わったら幼虫を投入しますが、ドリルで穴を開ける必要はありません。←の様にマットを少し盛り、そこに幼虫を置いてあげれば自力で潜って行きます。

 

Zaisiiku_003こんな感じです。幼虫には「硬いところが安全」という本能があるので自然と材に潜って行きます。時間はかかりますがやさしく見守りましょう。後は出来るだけ涼しい・暗いところに放置するだけです。

 

ケースの状態ですが、以前は材をマットで埋めたり下に砂を挽いたりしてたんですが、思ったより材自体は乾燥せず、かえって材が湿りすぎて材中がぐずぐずになるので「材のみ」がいいと思われます(特に今の時期は)。衣装ケースやコバシャは保湿性が高いのでなおさらです。オオクワやコクワはかなり乾燥した材(人が思う)のほうが好むようです。産卵セットも湿りすぎだと産まなかったり卵が腐ったりしますから。

以上でセットは終了です。あとは材の交換時期ですが、今頃投入だと来年の3月頃に交換がいいでしょう。材を触ってぐずぐずに柔らかくなってたら交換です。幼虫を取り出し新しい材に入れますが、このときも自力で潜ってもらいます。ただし幼虫がかなり大きくなってると立てた材だと潜る前に落ちたりするので、そのときは材を横にし材の切り口にマットを盛りそこに幼虫を置きましょう。

時期的に交換がまずい時期は4月~7月です。前蛹や蛹が出てくる可能性大です。3月に交換できなかったときは8月のお盆過ぎにしましょう。

できるだけ大きな成虫にしたいなら「2年一化」は必須です。翌年の羽化を避けるため「とにかく温度の低いところで飼育する(通年)」「春の材交換→蛹化を避けるため、温度の上昇時期の材の交換はやめましょう」「材は乾燥気味のほうが好ましいです。加水は冬場に行いましょう。加水するより保湿に重点を置きましょう」

以上で簡単材飼育講座は終了です。あとは色々自分で試してみてください。「カワラ材」なんか使うと大きくなるかもです。

                

                                   

 

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