放虫についての私の考え方

大手(?)のクワカブのホームページに必ずと言っていいほど書いてある「放虫問題」。

雑誌でも最近よく載ってますね。この問題(?)について、私の考え方を書いてみようと思います。

 

1、        放虫の定義?

よく言われている「放虫はいかん!!」ですが、かいつまんで言えば「もともとそこに(場所・環境)

居なかった虫を放すと生態系が崩れる」。さらには「外国の虫は強いから、国産の虫が居なくなる(純粋種が居なくなる)ということでしょうか。だから、放虫はいかんし、逃げられてもいかんということですね。

2、        放虫行為(の裏側)

では、実際にはどのような放虫が行われているのか?見聞きした範囲では「ホームセンターで買って飼ってたけど、夏も終わりだしかわいそうだから最後は自然の中で寿命を全うしてね」と放す場合。

「飼ってたら増えすぎたので、飼えない分は自然に返そう」、「採集して減った分を、増やした分で補おう」というケース。更には「最近、採集圧がすごくて虫が居なくなったから、再生するよう放そう」。

ひどいのは(ホントかどうかは知りませんが)「新しい産地としてブランド化したいから、放虫してそれを採集し、商売をする」などなど。中には「飼ってたら逃げられちゃった」なんてのも、放虫の範疇に入るようですね。

3、        私の考えかた

    基本的には「放虫」はすべきではないと思ってます。特に外国の虫が万が一繁殖でもしたら、当然生態系に影響が出る可能性がありますし、そうなった場合元の環境に戻すことは不可能だと思うからです。私は、飼育自体も人間のエゴだと思ってます。しかし、自宅の決まった環境下でならまあ許される範囲かなと思います。(あくまで個人の趣味として)

    しかし、それが自然環境にまで影響を与えてしまうものであれば、それはエゴをはるかに通り越す重大事になると考えます。生態系が大幅に狂うということは、すべての生き物の生存を脅かすことに繋がりかねないからです。

4、        しかし・・・

   しかし、一方では許される放虫もあるとも考えてます。重度の採集圧によって、極端に個体数が減ったような場所では、「再生」の意味での放虫があってもいいのではと・・・。商業的な行為ではありますが、魚は「放流」するのは日常茶飯事ですし、それをとやかくいう人はほとんどいません。

   自分達で絶滅に追い込んだ生き物を、人工繁殖させて自然に返す行為はある意味推奨されてます。

   全部、人間のエゴなんですけどね。だって、居ない場所に放す行為は「放虫」となんら変わらないんですから。当然、生態系は狂います。(元は居たかも知れないが、すでに居なくなった場所はいない状態の生態系になっているから)

5、        外来生物法

   この法律はやっつけ仕事だと思います。本来は「絶対日本に入れちゃだめ」だったはずなのに、なんの啓蒙もなしに「いいよ〜」って言っちゃって、暫くしたら予想以上に入ってきて、「さあ、大変なことになってきたから取り締まらなきゃ」って・・・。無能のなせる業ですな。

   入れなきゃ入れないで良かったんですよ。それを良いって言っておいて今度はダメって・・、掛けた梯子をはずされた感じです。

6、        私の宣言

   私は放虫はしません。飼育している虫は死ぬまで飼います。里子に出す場合は自分の考えを伝えるように心がけます。

   でも、将来放虫しなければならない事態が来るかもしれません(自然界でのの絶滅)。ですから産地のわかっているものは累代し続けようと思います。 

7、        最後に

   人それぞれ色んな考え方があるでしょうから、私は自分の考えを賛同してくれとは言いません。

   ただ、すこしでもいいですから「放虫」について自分で考えてみて欲しいと思います。

   それがどんな答えになるにせよ・・・。 

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